スペースクルーザーの本体・箱

スペースクルーザー(SPACE CRUISER)

トミー/テクノボーイ・シリーズ/1982頃?
(C)1982 TOMY

ゲーム性 ★★★★ 機械仕掛けだけなのに、様々な要素が!結構遊べる!
操作性 ★★★ ハンドル操作が快適!
キャラクタ(画面) ★★★ 何故か電子ゲームっぽい自機や敵機
サウンド なし サウンド無しは当然と言ったところ
ハード ★★★★ 値段の割りには結構しっかりしていると思う。ハンドル装備も○
総合 ☆☆☆☆ 電子じゃないのにここまで出来るトミーに脱帽!他のも見たい!

■ゲーム解説:「電子」じゃない電子ゲーム機?!

▼「スペースクルーザー」の本体
スペースクルーザーの本体
▼箱に輝く(?!)「乾電池不要」の文字・・・
乾電池不要!買ったその場ですぐ遊べる!
 1980年前半に様々な電子ゲーム機が各メーカーから発売されました。
後期に入る程、低価格化されましたが、それでも主力商品が3,000円〜8,000円前後の
高額商品に変わりありませんでした。
当然、そんなに買って貰える訳は無く、クリスマスやお正月等のビッグイベント(?)時の楽しみでも
ありました。
しかし、このゲームは当時の標準価格でも1,500円程度・・。現在の液晶ゲームなら
その値段は妥当とも言えますが、約20年前でこの価格では電子ゲームなど実現出来る訳は
ありません。しかも、箱に「乾電池不要」の文字が目立ちます。
まさか太陽電池式?
実はこれ、電子部品を一切使わないゼンマイ式のゲームなんです。
こういうのを「疑似ELトイ」と呼ぶらしいです(私は単なる電子ゲームとは違う「オモチャ」として認識していました)。
トミーは電子ゲームで最新技術を駆使しながらも、こういったゲームも発売していたんですね。
さすが職人気質のトミーと言ったところです。
 さてゲームですが、本体右にあるメインスイッチを「STOP」にします。
そして、ツマミを止まるまで回します。本体右下にあるラップカウントを「S」にして、
メインスイッチを「START」にするとゲームスタートです。
ハンドルを動かして、「DOCK(ドック)」から自機を発進させ、向かってくる敵機を避けながら
得点を稼いでいきます。この敵機、甘く見てはいけません。なんと、外周の敵機と内周の敵機の
動くスピードが違うので絶妙なコンビネーションが繰り広げられるのです。
おかげで結構、当たりやすいです(苦笑)。ちなみにドックに入っている間は得点が加算されません。

 自機が敵機と衝突したら、要注意!素早く[DOCK IN]ボタンを押して、ドックに収容して再出発しましょう。
この間もゼンマイは動いているのでロスタイムとなってしまいます。
敵に衝突している間は[DOCK IN]ボタンを押すまでハンドル操作が出来なくなっているのには驚きです。
どうやって衝突判定やハンドルロックをしているんでしょうね。

 ゼンマイが止まれば、ゲーム終了。その時のラップカウントの数字が最終スコアとなります。
ただしスコアは22点までしかカウントしません。とは言っても22点行くのは至難の技でしょう。

 遊んでみると、なんだか往年の業務用ゲーム「モナコGP(セガ)」を思い出してしまいます。
電子部品を一切使わずにこれだけのゲームを成り立たせてしまうトミーに感服せずにはいられません。
最後に1つ、テクニックを紹介します。敵に衝突しそうになったら、[DOCK IN]ボタンを押しましょう。
緊急回避出来ます。
ぜひ、皆さんもこういったゲームをプレイしてみて下さい。意外と味があって面白いですよ。
操作系統:
(右)ハンドルとラップカウント表示
(左)[DOCK IN]ボタン
ハンドルの左にある[DOCK IN]ボタン ピンクのハンドル、意外とこだわっている感じがする
敵機が動き出して、さぁ発進ダ!
敵が動き出して、さぁ発進!
エマージェンシー!敵機と衝突!
イタ!敵機に衝突!すぐに帰還せよ!
▼微妙ハンドル操作が高得点へのカギダ!
微妙なハンドル操作が高得点のカギだ!

■本体解説:値段の割にしっかりしてる!

画面左下の意味無し表示もイカス!  ゼンマイ式のこのゲーム。外見はどことなく電子ゲーム機を意識した作りになっています。
しかし、1,500円程度のゲーム機の割にはハンドル使用やサイバーを思わせる背景など
よく出来ていると思います(確かに安っぽい感じはあるのですが)。
あらかじめ用意されたパターンで動く電子ゲーム機と違い、
滑らかに動く機械式の本ゲームには、こういったレースゲームが良く似合っていると思います。
おそらく中に仕込まれた円盤に敵機が描かれて、それを動かしているだけだと思いますが・・。

この「スペースクルーザー」、「テクノボーイ」の2番目のゲームだそうです。
シリーズにはどのゲームがあるか不明です。ご存じの方は是非、お知らせ下さい!!
(なんと追加情報を頂きました!上のゲーム解説でプレイ感覚が「モナコGPの様だ」と書きましたが、
キャラが車に変わっただけの本当にモナコGPの様なゲームがあるとの事です!
しかも、「エキサイトバイク(FC/任天堂)」の様な横画面バイクレースもあったとの事です。奧が深いですね!)

 電子を使わないゲームと言うと、パチンコみたいな玉を弾くだけのゲームや簡単な野球ゲームくらいか
思い出せないのですが、ゼンマイ式でここまで出来るとは正直言って驚きました。
そういえば、電池を使うけれども全てが機械制御の「サブマリン(メーカー不詳)」と言うのもありましたねぇ。

協力/寺町電人 氏

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