VX-3の内蔵メモリを32KBに!


1.はじめに

本ホームページにてVX-4の内蔵RAMを32KBに換装する方法が紹介されていますが、
VX-3も同様の方法でRAM増設が可能なので紹介します。

CASIOポケコンVX-3の内蔵メモリを32KB化します。
注意:この改造を行うと、メーカー保証は受けられなくなります。
またポケコンを壊してしまう場合もありますので、実施は自己責任でお願いします。

2.内蔵メモリ換装方法

本体の分解方法や作業の流れはVX-4の改造と基本的に同じです。
詳しくは下記の記事を参考にして下さい。
VX-4内蔵メモリを32KB(FX-870P)相当に!

VX-3では下図のようにCPU側とLCD側の基板を結ぶケーブルが全部で3本あるので、
これらを全て外して基板を分離させます。

分解図


8KBのS-RAMはVX-4と同様にCPU側の基板の裏側に取り付けられています。これを剥がして
代わりに32KBのS-RAMを実装するところまではVX-4と一緒ですが、8KBと32KBを切り替える
PADの構成が異なります。RAM換装後、写真のようにPAD3,PAD5がオープン、PAD4,PAD6が
ショートになるように半田付けを変更して下さい。
ちなみに32KBのS-RAMは秋月電子通商のEPSON製のものが安価でお勧めです。

実装図


3.動作確認

RAMの換装とPADの切り替えが完了したら、VX-4と同様の手順で組み立てて電源を入れます。
VX-3では10000-15FFFhのRAM領域をシステムが認識しないので、改造が成功してもALL RESET
後の表示は8KBのままです。(32KB化してない!と慌てないように。)

まずはTESTモードでRAMのチェックを行います。VX-3にはSYSTEM*コマンドが無いので、BIOS
(&H08C00)を直接コールします。DEFCHR$(252)="56605437008C"とした後、MODE110(&H6643)を
実行するとTESTモードに入れるので、4:RAMを実行して問題無いことを確認します。
実行後はRAMの内容が破壊されるので、ALL RESETを実施して下さい。

テストモード


一方10000-15FFFhは上記TESTでは確認できないので、チェック用のプログラムを準備しました。
圧縮ファイル中のcheck.bをP0〜P9のいずれかに転送した後、RUN起動するとチェックを開始します。
RAMの読み書きが正常なら"OK"が表示されて終了します。書き込み値と読み込み値が異なる場合
は"RW error"が表示されるので、再度S-RAMの半田付けやPADの切り替えを確認して下さい。
なお、正常終了時は10000-15FFFhは0クリアされます。

RAMチェック



4.64KB版 VX-3用VX-MENU

先に述べたように、10000-15FFFhの領域ににRAMを実装してもシステムはこれを認識しません。
そこで、この領域をファイル格納エリアとして活用できるVX-MENUの使用をお勧めします。
VX-MENUの導入方法や使い方の詳細については HD61700 SPIRITSを参照下さい。

拡張VX-MENU


なお、VX-MENUの導入には本体の32KB化に加えてRP-33によるRAM増設が必要です。
RP-33が無い場合、CASIO ポケコンVX-4に32KBメモリを直接半田付けするの記事等を参考に
拡張RAMスロットに32KBのS-RAMを実装して下さい。SOPパッケージICへの配線は大変ですが、
写真のようにポリウレタン線を使うと多少楽になります。

RAM増設


2010-2-21@Miyura

記事は、Miyura氏よりご寄稿して頂きました。ご協力誠にありがとうございました。

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